モンゴル遊牧王朝史の考古学的研究

国・地域名
モンゴル
区分
研究
学術分野
人文学
関連するSDGsの目標
11 住み続けられるまちづくりを13 気候変動に具体的な対策を
キーワード モンゴル、考古学、遊牧王朝

本学情報

担当者氏名 白石 典之
部局・職名 人文学部・教授

相手国情報

国・地域名 モンゴル
機関・部局 モンゴル科学アカデミー考古学研究所

詳細情報・活動報告

私たちの研究テーマはモンゴル高原に成立した遊牧王朝興亡史の解明です。モンゴルの遊牧王朝は世界史に大きな影響を与えました。例えば、匈奴の西進はゲルマン民族大移動の遠因になったと言われています。また、モンゴル帝国は交通網で東西世界を結びつけたことで、グローバル化の先駆けになったと評価されています。
しかしながら、それらの興亡のメカニズムはよくわかっていません。それは文字資料が少ないからです。そこで私たちは物質資料に注目して研究を進めています。具体的には、考古学者は遺跡から当時の社会や文化の再構成を、生化学者は人骨のゲノム解析から人々の移動の実態を、気候学者を土壌や堆積物から古気候の復元を目指しています。文系と理系が共同しているのが私たちのプロジェクトの特徴です。
モンゴル高原は寒暖の差が大きく、乾燥も激しい劣悪な環境にもかかわらず、次々に強大な王朝が誕生しました。そこに地球温暖化で貧困にあえぐ人々を救うヒントがあるかもしれません。また、異なった宗教を信じる多民族を支配したシステムからは、紛争を解決する手掛かりが見つけられるかもしれません。私たちは過去から現在と未来の社会の持続発展を見据える、「温故知新」型の研究を目指しています。